100年しかもたないコンクリート

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自宅設計時の疑問

こんにちは。Tsugute.sagaeの石井です。今日はコンクリートについて書きたいと思います。と言っても、木造とコンクリート造の事ではありません。実は私は自宅新築時に、基礎を何にするかで悩みに悩みました。

家を作る素材は「木」。けど・・・

というのも、家を数百年もたせたいと考えた時、どんな材料でどんな素材で作ればもつか、地球に与える影響を最小限に抑えられるかという事を考えた時に、家の構造は「木」という事で自然と決まってきました。しかし「基礎」を何で作ったら良いかの答えが中々出すことが出来ませんでした。

旧来の建築に学ぶ

家を建てるにあたっては、永くもたせるために、その一番参考にしたのは「永くもっている建物」です。何年にもわたって妻と古い建築を見て、何がどう劣化していくかをよく観察しました。例えばそれまで住んでいた築100年の住宅を始め、数百年たっている神社・仏閣等が主な建物でした。それらを観察していて気が付いた事は、基礎にコンクリートが使われていない点でした。多くの建物(実家もそうでした)が基礎には石(大谷石や玉石)が使用され、明治以前からの建物で、コンクリート基礎になっている建物はありませんでした。

基礎を何で作るか

そこで一番最初に基礎に出来ないかと考えたのは、大谷石でした。築100年の自宅の基礎も大谷石でしたが家の傾きは無く、また表面はボロボロになってしまっていても、中はしっかりして層に見えていましたし、気泡部分が断熱効果もあると踏んだからです。しかし、調べて15分で大谷石では、建物との緊結手段が難しい事、基礎の構造計算が私の持っているPCソフト出来ない事が判明。法規を通せないなら諦めざるえませんでした。

コンクリート構造の欠点。。。

そこでコンクリートで作る事にしましたが、コンクリートにあまり良い印象を抱いていませんでした。なぜコンクリートの基礎にあまり良い印象が無かったかというと、コンクリートはその製造過程で多くのCO2を発生させる事、また日本で最も古い鉄筋コンクリート建築(軍艦島)を見に行った時に、たかだか100年しか経っていない状況でこんなにボロボロになるのかと衝撃を受けたからでした。木造の建物も太陽と水があればすぐ朽ちてしまいますが、部分部分での交換が可能で、細かい修復を重ねる事で何百年も維持する事が可能です。しかし、コンクリートは大規模な修繕や建て替えをしないと、構造をもたせることが出来ない事に気が付いてしまいました。

基礎のコンクリートなら修復できるかも

ただ昔から見ていたビフォーアフターや、過去からやっていた耐震補強工事の経験から、荷重の軽い木造建築であれば家をジャッキアップする事が可能です。色々考えましたが自宅の新築については構造計算のため、鉄筋コンクリートで作り、100年後にジャッキアップをして基礎を作り直す(孫あたりにしてもらう)しかないかなと考えています。CO2はでてしまいますが、現在私の持つ知識と技術からはこれ以上は考えられませんでした。

最後に

古い住宅を見ていくと、人類がほんとに進化しているのか疑問に思います。確かに建築材料も年代と共に進化して、簡単で強い材料や工程に変わっている事が多いのですが、素材としてもたない物しか市場になくなっていたり、作れる人がいなくなってしまっていたりと、誰の何のために進化しているのか、少なくても使用者のために進化しているのでは無いなと思う進化も多くあると感じています。これからも何が良くて悪いか、正しいがひとつじゃない住宅業界で、自分の頭で考えながら家作りを進めていきたいと思います。今日も最後まで読んで頂きありがとうございました。

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