照明で変わる家の雰囲気
こんにちは、Tsugute.sagaeの石井です。今日は照明計画について書いていきたいと思います。そもそも、照明は家の雰囲気を作る上でとても重要で、建築意匠のなかでももっと注目するべきデザインのポイントだと思います。家でどんな生活をするか考えた時に、その明るさや色温度、照明器具によって生活は一変してしまう可能性があるからです。
照明を計画する前に
照明を選ぶ際に注意する事としては、何の目的で証明を付けるのか、どんなタイミングで付けるか、どんな雰囲気の空間にしたいか等を事前に考えて、照明を選んでいきます。またその中で注意点もいくつかあります。また住宅は永く住むところでもあるため、ある程度、生活の可変性に合わせて変えていく工夫も必要です。
その空間で何をするか。そのためにどんな明るさが必要か
先ず、考える事が必要なのが「何をする空間か」という事です。例えば、パソコンや細かい作業をするような空間が暗いと、目が疲れ永く作業をし続ける事が出来ません。クローゼットのような場所も暗いと、洋服の色が分からず、外に出てショーウィンドウに映った自分の姿を見た時に、初めて色合いの違和感に気づいてしまったり、また、逆にリラックスしたい空間が、白い光で煌々と照らされていると脳が覚醒してしまい、全くリラックスできなかったり、目的と照明が合っていないと大きなストレスとなってしまいます。
照明計画のポイントと注意点
そのため照明の設置計画は業者任せにはせず、住む人がそこの空間で過ごすイメージをしながら、それに合わせた照明を選定する必要があります。まだ何に使うかのイメージが付かないような空間については、照明用のレールだけつけておいて、その後の用途に合わせて照明の数を増やしたり減らしたりしながら調節する方法もおすすめです。
照明で中途半端なコストカットをしない
また特にこだわりたい箇所については、高額な照明を設置する事をおすすめします。というのも、見た目や形は同じでも、照明の価格はピンキリの事が多く、同じ形だからといって安いものを買ってみて、いざ届いてみると各部品が安っぽく、全体的にチープな空間になってしまう事が少なくないからです。私の自宅でもポイントとなる照明には高額な照明を選定。その代わり、ダウンライトなどは一番廉価な照明を組合わせたり、値段は安くてもちゃんと焼き物であるとか素材が安くならないように気を使いながら照明器具を選定しました。
用途に合わせてメリハリをつける
またヨーロッパでは、防犯のためにも、家の中を暗めにすることで、夜に窓の外から家の中を見ても端まで見えず、家の中を見渡せない事で家の中を把握させないという考え方もあると聞いています。そのためどの空間にも余すところなく照明を造るのではなく、しっかり用途に応じた最低限の明かりを設ける設計が必要だと思います。また、照明の光源を見せないような工夫も必要で、建築照明であるコーブ照明・コーニス照明なんかも、比較的求めやすい費用でモダンな照明空間を造れるため、利用しやすい手法の一つです。特に最近では、テープ型のLED照明が多く出ており、家具と照明を組合わせて間接照明とを造る事も多く、工夫次第で以前より簡単に建築照明を造作する事が出来るようになりました。中々、やり慣れた業者じゃないと案自体も出てこない事が多いですが、もし頼めるようであれば、空間の中でアクセントとなる部分に試してみるのも良いかもしれません。
調整可能な照明を選定する
最近では多くの照明がLED化している事もあり、同じ光量とルクスの表示でも、明るさが違っていたり、経年変化が大きかったり、想定以上に演色性(照明光によって照らされた物体が、自然光(太陽光)で見たときの色をどれだけ忠実に再現できるかを示す指標)が低かったり、より照明の選定が複雑になっています。そのため、後々思った通りでは無かった時に調整できるよう調光機能付きの照明を付けたり、照明では無くライティングレールを設置して、生活してから生活に合わせて照明を増やしたり減らしたり計画していく等といった工夫も必要になってきます。
最後に
照明を変えるだけで、同じ建物・空間でも全く違った印象を与えます。先ずは自分がこの空間で何をしたいかをよく考えて、理想の空間をイメージした上で照明計画をたてて頂く事をおすすめしています。本日も最後まで読んで頂きありがとうございました。